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文部科学省『教育用コンテンツ開発事業』
五角形の外角を全部合わせると 360° です。同様に,他の多角形でも外角の和は 360° になります。
このことから,多角形の外角の和はいつも 360° になるということがわかります。
実施時期
2年生2学期(10月)
単元項目
4章1節
角と平行線(p.110)
配当時数
9時間
指導内容
多角形の外角の和
このコンテンツを用いた授業例・指導案
単元目標
平行線の性質・条件,三角形やその他の多角形の性質,それらを論理的に筋道立てて考察することに関心をもつ
図形のもつ数学的な美しさに気づき,図形の性質を直観的・帰納的な方法と演繹的な方法で考察する
平行線や角,基本的な多角形の性質を用いて,図形の関係や角の大きさを求めたり,図形の性質を説明する
角の名称や平行線の性質・条件,三角形や多角形の角の基本性質,三角形の合同条件などを理解する
本時の目標
外角の和を求める公式を帰納的に導き,その性質を理解する
実施時期
2年生2学期(10月)
単元項目
4章1節
角と平行線(p.110)
配当時数
9時間(本時はその6時間目)
学習活動
1
外角の定義を知る
前の時間に内角を学習しましたが,今日は外角を学習します
内角の外側のことですか
外側全部ではありません。『多角形で,1つの辺とそのとなりの辺の延長とがつくる角』のことをいいます
1つの頂点に2つずつできるね
外角の定義は,言葉では理解しにくいので図を使って説明し,補角の関係にあることを直観的に理解させる
1つの頂点に2つの外角ができることを視覚的に理解させるために,それぞれ2色に塗り分け,その1つのグループを求めることが外角の和となることにつなげていく
2
外角の和の意味を知る
多角形の内角にはどのような性質があったかな
n
角形の内角の和は 180°×(
n
−2) になります
では,今日は何をしようかな
外角の和の性質を調べる
では,外角の和の性質を調べてみましょう。外角の和というときは,多角形の各頂点で1つずつつくった外角の和のことをいいます
内角と対比することで外角の性質に着目させる
図上で外角に色をつけたりして,外角の和がどの角の和を示すのかを理解させる
3
外角の和を予想する
では,正方形の外角はそれぞれ何度になるかな
みんな 90° です
では,外角の和はいくつになるかな
90°が4つで 360° になります
では,五角形,六角形などではどうだろうか
450°
540°
360°
簡単に外角の和が求められる正方形の外角から,その和を求めさせる
動画では,正五角形,正六角形の外角の和を示すので,それにつなげるために正方形を扱う。その特殊性については,後に触れ,一般の四角形等については,後に追求する
4
動画をみて,直観的に外角の和が一定であることを理解する
計算しても求められますが,図形で説明できないかな
……
くっつければ…
いろいろな方法がありますが,そのひとつを動画でみてみましょう。みんなと同じ考え方かな(動画をみる)
なるほど,360° かあ
みんな 360° になるんだね
動画をみて,直観的,帰納的に外角の和が一定で 360° になることを理解させる
5
一般の多角形の外角の和が 360° になることを理解する
でも,正五角形や正六角形だけなのだろうか,すべての多角形でもそういえるだろうか
多分,できるよ
やってみれば
じゃあ,適当に多角形をかいて,外角をくっつけてみよう
やっぱり,360° だ
全員が 360° なら間違いなさそうだね
紙に多角形とその外角を描き,外角が分かるように色をつけたりした後に切り離し,それらを合わせると 360° になることを確かめる
6
多角形の外角の和に様々な方法があることを理解する
他に説明する方法はないだろうか
離れてみると,内側の図形が小さくなって点になってしまい,そのまわりに外角が並ぶ
図形の外側を回っていくと,ちょうど,一回りすると,全部で 360° 向きを変えたことになる
内角と外角の和が 180° だから,
n
角形の内角と外角の和は,180°×
n
。それから,内角の和を引くと 180°×
n
−180°×(
n
−2)=360°
無理に多くの方法を深く追求せず,直観的に理解にとどめ,様々な方法があることに気づかせ,図形の性質に興味・関心を持たせる程度とする
7
本時のまとめを行い,多角形の外角の和の性質への理解を深める
多角形の外角の和は,どんな多角形でも 360° になります
動画を再び提示し,その性質への理解を深める