大日本図書では,発行しているすべての教科書で,「誰にでも見やすく使いやすく」を編集方針としています。
そのために,編集者がユニバーサルデザインの研修を受け,「UDコーディネーター」の資格を取得。
特別支援教育に携わる専門家の指導を受けながら,見やすくわかりやすい紙面づくりに取り組んでいます。
教科書のユニバーサルデザインの実現をめざして,これまでも,これからも私たちは考え続けていきます。
編集局での学習会。教科の枠を超えて話し合い,共有します。
特別支援教育の観点から
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教科書をひらくと,見出しや文章,さし絵や図,写真など,たくさんの要素によって紙面が構成されています。
こうしたたくさんの刺激から,重要な部分に注意を向けることが難しくなったり,情報をうまく処理できず,混乱してしまったりする子どもたちがいます。
このような,特別な支援を必要とする子どもたちのために,図や写真の配置や使用するマークの形,囲みのデザインなど,ひとつひとつ検討を重ねています。このことは,支援の必要な子どもだけでなく,すべての子どもたちの学びやすさにつながっています。
例:たのしい算数5年の場合
解説をかくす
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文字の見やすさ,読みやすさの向上
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教科書で使用している文字には,ユニバーサルデザイン(UD)の考え方に基づいて開発されたUDフォントを採用しています。
見出しや本文,吹き出し,ふりがなや,記号,数字など,それぞれの役割に適した大きさや太さを検討し,視認性を高めるとともに,読みやすさを追求しています。
また,文章の改行の位置についても,単語の途中での改行を避け,読みやすい位置で改行することで,意味を捉えやすくなるよう工夫しています。
例:たのしい理科3年の場合
色覚の多様性への配慮(カラーユニバーサルデザインCUD)
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教科書の紙面がオールカラー化されたことで,色を使ったさまざまな表現が可能となりました。
一方で,色覚特性によって色の感じ方が通常と異なる人にとって,色の見分けが困難であったり,そのことによって正確な情報を得られなくなったりする場合が考えられます。大日本図書では,「色づかいのガイドライン」を定め,制作に関わるスタッフが共有しています。
編集作業においては,色の見え方のちがいによって学習に支障が出ることがないよう,専用のモニターを使って紙面を検証する工程があり,色の組み合わせだけでなく,文字情報の追加や,線の種類の変更などにより,色覚に頼らずに正確な情報を得られるような配慮をしています。このような取り組みによって,学習者だけでなく指導者にとっても使いやすい教科書となることをめざしています。
このような取り組みによって,学習者だけでなく指導者にとっても使いやすい教科書となることをめざしています。
例:理科の世界1年,2年の場合
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その他の取り組み
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弱視の児童・生徒のための拡大教科書の発行,化学物質にアレルギーのある児童・生徒への配慮など,さまざまな取り組みを進めています。
表紙・印刷
表紙には丈夫で汚れにくいコーティング(PP貼加工)を施しています。
化学物質にアレルギーのある児童・生徒への配慮として,印刷には植物油インキを使用しています。
例:数学の世界1年の場合
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