いじめにあってもクラスにひとり、心の通う友だちがいればがんばれる。いじめでしずむ春海も、青木君の支えで立ち上がる勇気が。クラス中のいじめにあった少女。真実をもとにした物語。

【書評から】小学校の学級新聞の記事を元にして生まれた「自分にできる勇気」の本。 （毎日新聞）

〔作者からお願い〕
いじめでまた自殺してしまった子が出てしまいました。なぜ、ふせげなかったのか。 『もうすぐ飛べる！』（大日本図書）は、実際にクラス中のいじめにあった少女の手記をもとに書いた物語です。 もし、この本を読んでくれた子がもっと増えていて、自殺してしまった子の教室にひとりでもいて、その子がこの本のメッセージを受け取ってくれていたら、もしかしたら もしかしたら、この子の命を救えたのではないだろうかと。そんなことまで思います。 なぜなら、この本の少女と、自殺した少女は同じようないじめを受け、同じように苦しんでいたから。 作家として、この本をもっと広く沢山のこどもたちに読んでもらえなかった力不足を、心から悔しく思い、胸が苦しいです。 いじめ関係の本は沢山出ていますが、大人の考えの本が多いです。 こどもから、こどもの心から発信された本の何と少ないことか。 モデルとなった少女はいってくれました。「この本はあのときのわたし、そのまま」だと。 そして、涙を流して喜んでもくれました。 つい、わたしも、もらい泣きをしてしまいました。 それが、作家としての私の勲章です。 学校関係者のみなさま、保護者のみなさま、そして、こどもたち。 『もうすぐ飛べる！』を読んでみて下さい。 図書館へ、ぜひリクエストを！ 今、苦しんでいるこどもたちの心に直接触れてください。 そして、どうぞ、お力をお貸し下さい。 作者のためでも版元のためでもなく、モデルとなって、触れられたくない辛い出来事を こうやって形にさせてくれた少女の気持ちにこそ、こたえるために。 どうぞ、お力を、お心を、お手をお貸し下さい。
越水利江子