vol.24 - No.21 (2023年2月1日)

一年で一番寒い月となりました。毎年のことなのですが、この2月が過ぎればという思いで日の出や日の入りの時刻を毎日確認します。毎日少しずつ日照時間はのび、私以上に春を心待ちにしていると思われる早春に花を咲かせる草花は、花茎をのばしたり、つぼみをつけ始めたりしています。花によってはつぼみを膨らませ始めているものもいます。わずかな変化であっても、春が近づいていると感じることができるのでしょう。寒さの峠の頂上付近で、もうしばらくの辛抱で確実に気温は高くなっていくという見通しが立つと、不思議と気持ちは楽になるものです。ましてや2月が終わると、たとえ寒い日が数日続いたとしても、気持ちを明るく保つことができます。少しずつほんのわずかであってもよい方向に向かっていると感じられるときには、何事にも頑張れるものです。テストの採点などの作業をしていた時にも、半分終わると大分気持ちが楽になり、残りの仕事も早く進むような気がしました。期限のある仕事も、半分をすぎると心にゆとりができます。半分終わる(峠を越える)といったことは、終わりが見える、終わりが来るといった見通しを確かなものとします。それで気持ちが楽になるのでしょう。逆を言えば、先の見通しが立たない、いつ終わるかわからないといったことは、私たちをとても苦しめます。生き物にとって最良なのは心配事などない穏やかな日々が与えられることだと私は思います。ですが、地球上の生き物の生きる仕組みや人間の心はさまざまです。それを考えると、命はどのような方向に向かって進化してきたのか、これからどのような方向に進化していくのか、全く見当がつかなくなります。

さて今回は、寒さの中でも少しずつつぼみをふくらませ、春早くに花を咲かせるキブシを2回に分けて紹介します。