vol.25 - No.04 (2023年5月15日)

今年の4月は5月を思わせる陽気で、1ヶ月ほど季節の進行が早まっているのではと思ってしまうほどでした。その気温の高まりを感じとって、植物はぐんぐん体を大きくして花を咲かせています。そして、その成長を追いかけるように、昆虫たちが卵から孵化したり、蛹から成虫になったりしています。カラスノエンドウがたくさん生える場所には、ナナホシテントウの成虫ばかりでなく幼虫も姿を見せています。ヤブキリやヒナバッタの幼虫、ヒシバッタの成虫などもいて、野原や畑の周辺などはとてもにぎやかになりました。昨年秋から孵化するのを楽しみにしていたウスイロササキリも早々孵化し、小さな体の存在を毎日確認するのにとても苦労しています。カマキリの卵も気づかないうちに孵化してしまい、部屋中が子カマキリだらけになったり、飼育ケースの中がコンサート会場のようになったりしてしまいました。コバネイナゴの孵化には立ち会いたいと思うのですが、孵化を予測するのは難しいのが現実です。予定した昆虫とのかかわりを続ける中で、今年は思いもよらないことが起こりました。それはツマキチョウの来庭です。年に1回3月下旬から4月に成虫を見ることができるチョウで、意識して探さないと出会うことができません。遠目にはモンシロチョウもしくはスジグロシロチョウのように見え、モンシロチョウが飛んでいると思われることがほとんどですが、そんなツマキチョウが何回も庭にやってきたのです。しかもノラボウ(ふつうはタネツケバナやイヌガラシを好む)に産卵してくれました。その卵も4日5日で孵化し、5月に入って終齢にまで成長しました。孵化するようすを撮影しようと長い時間を費やしましたが、先に孵化した1齢幼虫に気を取られていたちょっとした間に卵から出てしまい、撮影できたのは孵化後に自分の入っていた卵の殻を食べるようすだけでした。このようなことはよくあることで、今では悔やむ気持ちはさほどわかず、いつものことだと次のことに気持ちを向けることができるようになりました。次はキアシドクガが蛹化するようす、次はオビカレハの・・・といった具合に、あれこれしながらの毎日が続きます。

さて今回は、キアシドクガの2回目です。2齢幼虫が蛹になるまでのようすです。