vol.24 - No.09 (2022年8月1日)

体が大きくなった樹木の姿をその特徴がよく分かるように撮影するには広い場所が必要です。そのため数年前までは積極的に樹木が育つようすの撮影は行いませんでした。「おおきくなあれ」で少ししか樹木の紹介ができていないのはそのためです。植物については、野の花・庭の花・野菜といった括りで画像をまとめることが中心となっていました。樹木についてもまとめたかったのですが、まとめられるほど画像がそろっていませんでした。ですが、何とかしたいという思いだけはありました。そこで、大きく育ったらどうするかはその時になってから考えようと、とりあえず種をまいて育てることにしました。野山や公園などで集めた種を、まずは育苗箱にまき、そのようすを見ました。樹木の種によってはそのまままいただけでは発芽しないものもあります。それでも20数種類の種が発芽して育ち始めました。今では庭のいたる所に鉢に植えられた苗木が置かれています。ただ、高さが2mをこえるほどに育ったものもあり、庭で育てることに限界を感じることが多くなりました。そこである決断をしました。あまり大きくならない木は背丈50cmほどに、大きく育つ木は1m以内の背丈に、選定によって小さくしてしまうことにしたのです。大きさの合わない植木鉢で育てて枯らしてしまったり、やむを得ず処分したりするよりは、盆栽のように体を小さくして育てる道を選んだわけです。庭で育てるものはつぼみや花、実のできるようすなどの撮影用に利用し、大きく育った姿は野山で自然に育っているものから樹形など分かりやすいものを探して撮影することにしました。庭で育てている木々は、今は少しずつ枝を切り詰めて小さくし、同じ種類のものはできるだけ一鉢にするようしています。しかし、もらってくれる人を探しても、野山のあちこちに生える木なので、なかなかもらい手が現れません。

さて今回は、知る人はほとんどいないと思われる、つぼみが食用になるヨーロッパ原産のキク科植物、アーティチョークが育つようすを紹介します。