vol.23 - No.16 (2021年11月15日)

庭に咲くホトトギスの葉に、ルリタテハの4齢幼虫がいるのを10月の初めに見つけました。昆虫図鑑などではサルトリイバラの葉を食べて育つと解説されていることが多いのですが、ホトトギスの葉を食べて育つものも多く、庭では5匹育っていました。そこで、蛹化や羽化のようすを撮影したいと思い、5匹を飼育ケースに入れて育て始めました。4齢幼虫はすぐに終齢となり、いよいよ次は蛹です。タテハチョウの仲間は、モンシロチョウやアゲハチョウの仲間と異なり、前蛹は尻につくかぎ爪でだらりとぶら下がります。飼育していた2匹の終齢幼虫は5日ほどで、次々と前蛹になりぶら下がりました。ぶら下がる瞬間は見逃してしまったので、蛹になるようすは撮影し損ねないようにと注意深く観察しました。前蛹はぶら下がった翌日の午前中に蛹になることがほとんどです。そこで、蛹化の前兆を察知しようと朝から何度もようすを見ていました。時々体を小刻みに動かしたり頭を持ち上げたりするのですが、黒とこげ茶で暗い色をした前蛹の体色などの変化を感じとることは難しいことでした。アゲハチョウのように脱ぐ皮の変化に気づくことができず、ちょっと気を許した間に蛹になってしまいました。ですが、1匹目の前蛹が、頭をもたげて体をかぎ(L)状にしてから1時間ほどの間に蛹になったこと、小刻みな動きが体をのばしたり縮めたりする動作に変わってからわずかで脱皮が始まったこと、その2点をたよりに2匹目を注意深く観察しました。それで何とか撮影を成功させることができました。このような撮影には根気が必要ですが、2匹目で撮影できたことは幸運なことでした。前蛹の状態を見ただけで「あと何分ほどで蛹化が始まるよ。」と言えるような観察力を持つことができたらなどと思ってしまいます。

さて今回は、チャドクガの2回目です。2齢幼虫が5齢幼虫になるまでのようすです。