vol.22 - No.14 (2020年10月15日)

8月下旬からシオカラトンボの幼虫を育てています。6月下旬に見つけたヤゴを家に持ち帰り、羽化するようすの撮影をしたところ、羽化したのはオオシオカラトンボばかりで、シオカラトンボは一匹もいませんでした。シオカラトンボとオオシオカラトンボはよく似ていて、混同してしまうことが多かったため、「この映像は間違いなくシオカラトンボです。」といえるものが欲しかったのです。そこで、家の池にやってきたシオカラトンボを捕らえ、シャーレ(ペトリ皿)に入れた水の中に産卵させました。ですが、トンボの仲間などある種の生き物は、生きている餌しか食べません。生まれたばかりの小さな幼虫には、さらに小さい生き物を与えなければなりません。身の回りからそのような生き物をたくさん集めることは不可能に近いことです。あれこれ考えた末に思いついたのが、ブラインシュリンプ(アルテミア)を餌として与えることでした。熱帯魚や金魚の愛好家たちが優秀な稚魚を得るために餌として用いているものです。卵で売られているブラインシュリンプを2%の塩水の中に入れ、強くエアーレーション(水の中に泡状の空気をたくさん送り込むこと)すると、1日で孵化して幼生が泳ぎ出します。この幼生を餌として与えることにしました。おかげで体長が1mmほどだったシオカラトンボの幼虫も1cmを超える大きさにまで育ちました。ただ、新たな問題が生じています。ブラインシュリンプは、今ではあまりにも小さな餌となってしまいました。シオカラトンボの幼虫は2cmを超える大きさに育ってから羽化します。まだ成長過程の半分ほどです。今は、この先どんな餌で育てたらよいのか悩んでいます。

さて今回は、ヨツモンカメノコハムシの2回目、3mmほどに育った幼虫が成虫になるまでのようすです。