vol.18 - No.05 (2016年6月1日)

ある教材会社の人からアカハライモリの卵をいただくことになった時のことです。自由が丘にある学校の先生を経由して受け取ることになったのですが、学校に伺ったのがまだ明るいうちだったので、ついでに学級園やビオトープ・飼育小屋などを案内してもらいました。案内をしてくださった先生とは、退職後の学校園管理を心配している先生が多いことや、生き物を扱える先生が少なくなっていることなど、いろいろな話をすることができました。その先生が、「これがね、いくらでも生えてきて放っておくと大変なんだよ。」と言いながら、ある草を見つけ次第抜いていました。その草の名はナガミノヒナゲシです。花はやや小ぶりながら、その名のとおりヒナゲシ(ポピー)らしい花をつけます。しかし、ややくすんだオレンジ色で美しいとはいえません。繁殖力がとても強く、実を結ばせてしまうと、翌年はそこら中に生え出して一面この花だらけになってしまいます。そういえば、歩道と車道の境目や石垣の下などに、この花が咲いているのをよく見かけるようになりました。ここ数年のことですが、瞬く間に広がったようです。これまでも外国からやってきて力強く繁殖する植物の存在はありました。帰化植物と呼ばれていましたが、最近では、侵略的外来生物などと呼ばれるものもあります。単なる厄介者というよりも、しっかりとした対応をしないと後で大変なことになるという危険な生物として扱われています。私の勤める学校の教材園でも、今まで見かけなかったある植物がたくさん芽を出しています。それはイチビと呼ばれるものです。先の先生の話を思い出しながら、しっかり対応しなければと改めて思いました。

今回は、そのイチビが育つようすを紹介します。元気良く育ってもらうわけにはいかない要注意外来生物です。