vol.14 - No.14 (2012年10月15日)

暑い日が10月の上旬まで続きましたが、やっと涼しくなり秋を感じることができるようになりました。エンマコオロギたちはまだ元気ですが、他のコオロギやスズムシたちは、卵を産み終えて今はほとんど死んでしまいました。秋の鳴く虫という表現で語られる虫たちの多くは、夏の終わりにはもう一生の終盤を迎えます。産み付けられたたくさんの卵から新たなサイクルが始まることは分かっているのですが、横たわって動かなくなった虫たちを見るとさみしさを感じてしまいます。これから迎える冬の数ヶ月は、生き物たちの動きと変化が乏しくなります。ですが、卵の中や木々の小さな芽の中では着々と活気ある春への準備がなされています。目に見えなくても、自然のさまざまな場面で、生き物たちは大切な変化をしているのです。

さて今回は、コオロギの仲間の中からミツカドコオロギを選びました。次回(11/15)と2回に分けて紹介します。