季節の教材 - No.20 (1998年1月15日)

庭の一画を小さな畑にして、野菜を育てています。ダイコンやキャベツの花の写真を撮るには、農家の畑を訪ねたのではなかなか撮影できません。なぜなら、花の咲く前にみな収穫してしまうからです。近くに畑があってさえこのような状態ですから、町なかに住む子どもたちの多くは、野菜の花を知りません。それどころか、野菜が畑でどのように育ち、どのような状態で収穫されるのか、体のどの部分が私たちの食べ物となるのかさえ知らない者も少なくないのです。

そこで今回は、冬野菜の紹介をします。日ごろ何気なく口にしている野菜の、収穫寸前の画像ばかり選んでみました。画像は、家の近くの畑で撮影したものばかりで、庭の野菜はこのように立派にはなかなか育ちません。しっかりとした土づくりの大切さを思い知らされます。

自分で育てて自分で食べる。生き物の命をいただきながら生きていることを忘れないためにも、また、私たちを生かすために死んでいくさまざまな命に対し感謝の気持ちを持つためにも、私は自分自身で命を奪い調理し食べる行為の大切さを感じています。しかし、子どもたちに「君たちがこの豚カツを食べなければ肉屋で豚肉は売れず、養豚場の人は豚を殺さないのだから、豚を殺しているのは食べる君たちだということだよ」と話すと、いやな顔をされてしまいます。