仕事率:ワット/Watt/SI組立 仕事率:ワット/Watt/SI組立

定義:

$1\,$$\text{V}$ の電圧を加えたときに $1\,$$\text{A}$ の電流が流れる導体の電気抵抗($\text{V/A}$)

SI基本単位による表記:

$\text{kg}\cdot\text{m}^2\cdot\text{s}^{−3}\cdot\text{A}^{−2}$

ゲオルク・ジーモン・オーム
電気抵抗の単位オームは,ドイツの物理学者ゲオルク・ジーモン・オーム(1789年〜1854年)の名前からつけられました。

ゲオルク・ジーモン・オーム

オームは,学校の教師をしながら電気や数学の研究に励み,たくさんの著書を残した科学者です。
中でも,1827年に出版された『ガルヴァーニ電池』の中で発表した『回路を流れる電流の大きさは電圧に比例する』というオームの法則で知られています。

単位の記号は,アルファベットの立体で表すことになっていますが,アルファベットの O(オー)は,数字の 0(ゼロ)と見分けづらいので,オームと音の似たギリシャ文字の Ω(オメガ。小文字はω)が当てられました。
ゲオルク・ジーモン・オーム
1 Ω ってどのくらい?
細い($\phi$ 0.2 mm)ニクロム線 3 cm の抵抗がおよそ 1 Ω です。

ニクロム線は,ニッケル Ni とクロム Cr の合金で,電流を流すと発熱するので電気コンロの電熱線などに利用されます。

ニクロム線に電圧をかける

ニクロム線に電圧をかける
物質の抵抗の大きさは,長さに比例,断面積に反比例します。つまり,長いほど,細いほど抵抗が大きくなります。 長さ・太さと抵抗の大きさ
このことは,物質に固有の電気抵抗率 $\rho$ を用いて,$R = \rho \dfrac{l}{S}$ のように表せます。
ニクロムの電気抵抗率 $\rho$ は 1.075 $\times$ 10$^{-6}$ Ωm (室温のとき)なので,直径 0.2 mm で長さ 3 cm の抵抗は,次のように計算できます。
$$ \begin{align} R &= \rho \frac{l}{S}\\ &= 1.075 \times 10^{-6} \,\text{ Ω m } \, \times \frac{ 3 \,\text{cm} }{ 0.1 \, \text{mm} \, \times \, 0.1 \, \text{mm} \, \times \, \pi }\\ &= 1.075 \times 10^{-6} \,\text{ Ω m }\, \times \frac{ 0.03 \,\text{m} }{ 0.1\times10^{-3} \, \text{m} \, \times \, 0.1\times10^{-3} \, \text{m} \, \times \, \pi }\\ &= 1.027 \, \text{ Ω }\\ \end{align} $$
なお,同じ太さの金属線で 1 Ω の抵抗にするには,電気を最も通しやすい銀なら 2.0 m,銅なら 1.9 m,金なら 1.4 m が必要になります。