国際単位系における定義:
1 mol は,6.02214076×10$^{23}$ 個の要素粒子を含む物質量
この数値の単位は mol$^{-1}$ で,アボガドロ定数 $N_{\text{A}}$ と呼ばれる
古い定義:
$0.012\,$$\text{kg}$ の炭素12に含まれる原子と等しい数の構成要素を含む系の物質量
由来:
物質の分子量の数字に $\text{g}$ をつけた質量に含まれる物質量
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アボガドロ定数
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2019年5月20日から,mol はアボガドロ定数を用いて定義されるようになりました。
アボガドロ定数 $N_{\text{A}}$ は,イタリアの物理学者アメデオ・アボガドロ(1776年〜1856年)に因んだ定数です。
アボガドロは,1811年,同温同圧のもとでは全ての気体は同じ体積中に同数の分子を含むというアボガドロの法則を発表しました。
同時に,気体を構成する粒子は原子2つが結びついた分子であるとする分子説を提唱しました。
こうした業績から,1 mol に含まれる粒子の数を示す定数に彼の名前がつけられました。
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$1\text{ mol}$ ってどのくらい?
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一円硬貨27枚に含まれるアルミニウムが,およそ $1\text{ mol}$ です。一円硬貨はアルミニウムでできていて,1枚 $1\text{ g}$ です。アルミニウムの原子量が$26.98$なので,$1\text{ mol}(= 26.98\text{ g})$のアルミニウムとするのに必要な一円硬貨の枚数 $x$ は,次のように求められます。$$x = \frac{26.98}{1}≒ 27\text{ 枚}$$また,1合の水が,およそ $10\text{ mol}$ です。「合」とは,尺貫法の体積の単位で,1合 $= 180.39\text{ mL}$ です。
$15 ℃$ の水の密度は$0.999 10\text{ g/}\text{cm}^3$ なので,1合の$\text{水H}_2\text{O}$(分子量$18.02$)の物質量 $n$ は次のように求められます。$$n = \frac{180.39× 0.99910}{18.02} ≒ 10.00\text{ mol}$$