古代の鏡は銅とスズの合金である青銅でつくられ,紀元前1世紀から魔鏡現象が起こることが中国で知られていました。
「隠れキリシタンの鏡」で,どうして魔鏡現象が起こるのかは長い間の謎でした。
明治初期に,政府は西洋の科学技術を取り入れるために,外国人の科学者たちを雇い入れました。その中で,イギリスのAtkinson(アトキンソン)がイギリスの科学誌『Nature』(1887)に“Japanese Mirrors”と題して「魔鏡」を紹介しました。
1990年,京都の山本合金製作所の3代目鏡師,山本眞治氏は「隠れキリスタン魔鏡」を再現し,ローマ法王に献上しました。
そのころ,工業技術院の山内真氏は,レーザー光を用いて「磨く際に,裏の模様の凹凸によってたわみ,表面(鏡面)に凹凸が出来る」と魔鏡現象を解明しました。
2014年,京都国立博物館の村上隆氏は,3次元(3D)プリンターを使って「卑弥呼の鏡」といわれる,古代の青銅鏡「三角縁神獣鏡」のレプリカを製作しました。そして、魔鏡現象が起きることを確認しました。
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