したがって,マスターが高知城に向かう骨董品市で入手した真鍮色の鏡の仕組みは,以下だと思われます。
(ウ)鏡の裏にする面に凹凸の模様をつくり,その後表(おもて)面をひたすら磨いた
…とすると,江戸時代あたりの真鍮色の鏡は,魔鏡現象の仕組みを知って作っていたの?
いえ,そうではないでしょう。
こうした鏡は使っていく年月の間に曇りや錆(さび)が出ます。当時はとても高価なものでしたから,曇りや錆が出るたびに磨いて使用していました。
何度も磨いている間に鏡が薄くなっていき,それに伴って裏の模様の凹凸部によるたわみ(反り)も大きくなりました。
そして,わずかな人が偶然に魔鏡現象に気づいたのだと思います。
でも,キリシタン魔鏡の裏側には,十字架にはりつけにされたキリストの模様はないよね?
良いところに気づきましたね! それは…
キリストの模様が隠されている…
あ〜そうか!
魔鏡現象の仕組みはわからない。でも,その現象に気づいた人が,裏側の十字架にはりつけられたキリストの模様の上に,キリストとは関係ない模様の別の真鍮色の板を貼り合わせた。……の?
Very Good! ですね。
現在は,2重構造になっていることがX線(レントゲン撮影)でわかっています。
すご〜い!
…まあ,一応この辺で終わりにしましょう。
“一応”この辺で終わりって! まだありそうなの?
うーん、またしても気になることが発生したので…